20kgダイエット 第四章 <ここで一度、身辺整理>

はらみかのダイエット小説

私が職場でなかなか周りと仲良くなれない理由を考えてみた。

まず、見た目がとっつきにくいらしい。

なぜなら過去に言われたことがある。少し傷ついたが、聞けて良かったのかもしれない。

だからこそ話術でなんとかしないといけないのだが、そもそも自分に自信がない。

こんな私の話に興味を持ってくれるわけない、と自分の殻にとじこもってしまっている。

私と真逆で「人見知り?なにそれおいしいの?」とでも言わんばかりの人は話しかけてきてくれる。

実は話しかけてもらうとすごく嬉しいのだけれど、同時に羨ましいとも思ってしまう。

引け目を感じて、なかなか距離を縮められなかったりする。

それがもどかしくて、更に自分が嫌になる。

私だって友達がいないわけではない。時間をかければ仲良くなれるのだけれど・・・




この歳になって、自分に自信がないなんて人、私以外周りにいないような気がする。

そろそろいい加減、自分を変えたい。

このダイエットが成功して、ずっとなりたかった私になれたなら。

そうしたら初めて、私は私を好きになれる気がする。

そして自分に自信を持てる。

自分から人に話しかけることができるようになる。

友達が増えて、毎日楽しくなるかもしれない。

心に余裕が生まれて、イライラも減るかもしれない。

娘にも優しくできるようになるかもしれない。

「かもしれない」ばかりだけれど。

でも、やってみなくちゃ!ていうか、そうなってみないと分からない。

これは私の人生始まって以来の一大プロジェクトなのだ。

この自己改造計画、必ず成功させる!そう心に誓った。




それにしても・・・前の職場は、歳が近い人が多くて仲良かったなぁ、と思う。

今の職場はというと、同じグループのパート社員は3人。

私の他に新山さん・中川さんというお姉さまが2人いらっしゃる。

お2人とも私の母より少し若いくらいで、勤務年数10年以上の大ベテラン。

おまけに、揃って美魔女だ。昔きっとモテたに違いない。

見た目はさておき、仕事でも人生でも大先輩な方々とどうやってお近づきになれば良いのか??

年齢差が大きいことを言い訳にしつつ、私は入社以来ずっと地味に悩んでいた。

 

新山さんは裏表がなく、親しみやすい人だと私は初対面で直感した。

イケメンとディズニーが大好きで、デスクの上も可愛らしい。

中川さんは、私が入社した時すごく丁寧に仕事を教えてくれた。

仕事熱心で自分に厳しく、とても真面目な方だ。

そんな彼女だからこそなのだが、私が入社3ヶ月目くらいの時、ミスをして迷惑をかけてしまった時はかなり怒られた。

ナイショだが、陰で泣いた。

一時期こわくて疎遠になっていたが、今は仲良くして頂いているつもりだ。




新山さんの方が少しキャリアが長いらしく、中川さんも新山さんには一目置いている。

新山さんは私のことを「はらみかちゃん」とフルネームをあだ名のように呼んでくれている。

なんだか可愛いし、距離が縮まったようで嬉しい。

このあだ名を考えたのは、山下さんの前任である、みはるさんというアラフィフの美人だ。

私を採用してくれた恩人でもある。

 

実は私はビューティーアドバイザーという資格を持っている。

まだコロナがひどくなる前、深キョンが「フェイシャルサロンつーき2回♪」とCMしているメナードに、みはるさんと新山さんをお連れしたことがある。

エステ体験が気持ち良かったらしく、2人とも気に入ってくれて今や常連さんだ。

そんなご縁もあって、親しみやすいあだ名をつけてくれたようだ。

まぁ、ただ名前が短くて面白かっただけかもしれないが。




私が入社した時、みはるさんが隣の席だった。

その正面に座るのが新山さん。

その隣があけみちゃんという私より2歳年下の社員さん。

その正面が辻ちゃんという社員さんだった。

この4人がものすごく仲が良くて、いつも楽しそうに話しながら仕事をしているのが本当に羨ましかった。

「私も仲間に入りたいなぁ」と思いつつ、笑いながら聞いていることしか出来なかった。

それともう一つ。

私は辻ちゃんに初めて会った時、一目惚れをした。

もちろん変な意味ではない。大袈裟に言うとそんな感じ、というニュアンスだ。

彼女は私の理想とする女性そのものだった。

私が男だったなら、まさしく好みのどストライク(笑)

スタイルが良くてオシャレで、姿勢も良くて明るくて話しやすくて。

彼女の方が1つ年下だけれど、私はずっと密かに憧れていた。

実は、私がダイエットを決意した理由の一つに「辻ちゃんのようになりたい」というものがあった。

本人が知ったらびっくりするかもしれない。

でも、身近に目標となる人がいるというのは良いことだと思う。

励みになる。

それに、こうも思える。

「同じ人間なのだから、私もああなれるんじゃないか?」と。

頑張れば届く。きっと不可能なんてない。

毎日、辻ちゃんの姿を見ながら自分に言い聞かせていた。




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