親友の麻央とは、2週間に1度くらいの頻度で会っていたが「毎回体型が違うね」と言われた。
彼女と知り合った頃の体型にやっと戻れたような感じだ。
麻央は優しいので私の体重の増減について突っ込んではこないが、さすがにびっくりしているようだった。
ぶっちゃけ妊娠中より産後太りの方がこわい。
まぁ、人それぞれ違いはあるだろうけれど、私はそう思う。
12月に入ってから、溶岩ヨガに週1~2回通うことにした。
いきなり入会ではなく10回分の回数券を購入させてもらった。
やる気満々の麻央は体験の時に買っていたが、私は遅れて買った。
結果的に麻央より私の方が先に使い切り、3月には入会する流れとなったのだが。
私はずっと「ヨガやる女ってなんか苦手だわ」なんて思っていたけれど、
まさか自分がその「ヨガやる女」になるとは思いもしなかった。
私は体が固いので、ポーズについていけない時もあるが、精神が安定するので良い。
照明を落としたスタジオで、ゆっくりと腹式呼吸を繰り返していると心が落ち着いてくる。
それにヨガ講師のみなさんは揃って声が綺麗で、聞いていてとても心地が良い。
なんだろう、そういう採用条件でもあるのかしら?
年末年始は娘の相手をしないといけないので、なかなか自分の時間を取ることができない。
ヨガやジムも施設自体休みだったりで行けなかった。
1月も休みがなかなか取れず、マイナス17㎏を達成できたのは月末が近くなった頃だった。
嬉々として整体院にカウンセリングに行った。
自分的には満足していたが、話をしていると気が変わってきた。
やっぱり当初の目標、マイナス20㎏を目指そうという結論で落ち着いた。
うちの家族は今年に入って全員が1つずつ歳をとった。
私もあきくんも1月生まれだ。
私は36歳。彼は40歳、いわゆる初老になった。
40歳=初老というのは昔の言い方らしい。
今は高齢化に伴い、60歳くらいを指すようだが、面白いのでそうやって旦那いじりをしている。
2月中旬、娘は3歳になった。
同じ頃、マイナス18㎏になった。
整体院にカウンセリングへ行くのは月1回で良くなった。
久しぶりに行ってみると、院長しかいなかった。
あとから新開さんがやって来て「私、今日で最後なんです」と言い、贈り物をくれた。
もしかして、私の予約の日をわざわざ待っていてくれたんじゃないかと思った。
なんだか、きっとそんな気がした。
半年もの間、週に2回もお世話になったのだ。
プライベートなことまでたくさん、いろんな話をした。
もう会えないのか。さみしくなる。
急なお別れだったのでお餞別なんて用意していないし、あいさつも咄嗟に出てこなかった。
一方、職場では嬉しいことがあった。
中川さんが私のことを「原ちゃん」と呼んでくれるようになった。
こんなエピソードもある。
ある日私は、郵便で受けた書類に間違って昨日の日付を押して準社員さんに渡してしまった。
それに気づいた中川さんは、書類を回収して修正しつつ、
「すいません、うちの子が」と言って準社員さんに返していた。
もちろん私は2人に謝ったけれど、これには愛情を感じた。
冗談まじりに「ごめん、お母さん」と言うと周りは笑っていた。
入社したての頃は距離を感じていたけれど、今では娘のように可愛がってくれている証拠だ。
以前の私では考えられなかった。
これも、痩せて自分に自信を持てて、周りと話しやすくなったおかげだと思う。
2月末、ももちゃんからカミングアウトがあった。
実は今、妊娠4ヶ月で安定期に入ったところなんだそう。
「そうなの?おめでとう!」と言いつつ考えた。
逆算すると、入社の頃からお腹にいたことになる。
「出産ギリギリの夏頃までは仕事がしたいな」と言う。
それまで楽しく一緒に仕事が出来ることを喜んだ。
私はももちゃんが入社した頃からちょうど周りと打ち解け始めたけれど、
彼女がいてくれたからこそ、余計にそれも加速したのだと思っている。
この運命に感謝だ。
たしかこの日、私は体にフィットした黒セーターを着ていて、お昼前ももちゃんが唐突に
「細っ。痩せたよね?前からそうかな、と思ってたけど今日確信したから」と言ってきた。
ああ、そうか。気付いていたけど決定的な自信がなくて言えなかったのね、と思いつつ、
彼女にはこの時初めて「6月から耳ツボダイエットをやってて、今マイナス18㎏になったの」という話をした。
ももちゃんは私の産後太りのひどさを知っているだろうし、なんとなく気持ちを理解してくれた気がする。
3月になった。
整体院へカウンセリングに行くと、院長から「運動した後は油ものを避けて、タンパク質をとるといいですよ」と聞いた。
また「肉か魚を夜ガッツリ食べて、朝体重測ると体質が分かりますよ」とも言われた。
人によって肉or魚の消化能力に違いがあり、食べても太りにくい食材があるという。
数日後、さっそく試してみた。
私の場合は肉だった。
これが分かると外食もこわくないし、献立も立てやすい。
あきくんも魚より肉の方が好きだし、ちょうど良かった。
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